生活

子どもとの関係を築くために大切な5つのこと

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子どもを3人産んで育ててきた。長女は28歳、長男は25歳でそれぞれ社会人として自立した。長女は昨年結婚して出産したので、私には孫もいる。

そして末っ子が4月から大学4年生になり、ついに自立しようかという今、思うことがある。

「今ならもっと我が子と良い関係を築く自信がある」ということだ。

しかし、子育て期間はやり直しが効かない。子どもを育ててきて学んだことを、自分では再実践できない。

PDCAサイクルが回り切らないうちに、子どもは巣立っていくのだ。

だからこそ、子育てや子どもとの関係に苦労しているママさんやパパさん、シングルでもパートナーと一緒でも、私の経験を役立てて子どもとの良い関係を築いていってほしいと思う。

この記事では、自分が発達専門心理士として多くの親子関係に関わってきた経験と、私が我が子から学んだ、子どもとの良い関係を築くために大切な5つのことをお伝えしたい。

徹底的に甘やかせ

親子のアタッチメント

まずは徹底的に甘やかせば良い。このことを声を大にして言いたい。厳しさは大して必要ない。

子どもが可愛いからこそ他人に迷惑をかけるような人になってほしくないと思い、”しつけ”と思い、厳しく諭したりダメ出ししたりするのも親の役目と思うものだ。

または感情のコントロールが効かずに腹が立って感情的に怒ってしまうことも日々あるだろう。そんな時にはまた我が子の寝顔を見て「ごめんね」と心底反省したりするものだ。

親の感情コントロールの問題はさておき、理論的に子育てに厳しさは必要がないと思っている。

家で特に厳しくしなくても子どもは自然と社会化されるものだ。厳しい社会のルールに適応したり、他人とうまくやっていくために苦労しながら学んでいくものだ。

だから家の中では厳しくしようとかしつけようとか特に気張って思う必要はない。

子どもを甘やかしてやれば良いし、甘やかしても大丈夫だ。

家ではできる限り言うことを聞いてやっても良いのだ。(とはいえ、聞いてやりたくてもできないことははっきりそういえば良い。)

親がガミガミ言わずににっこり笑顔で甘えさせてくれれば、子どもは家で安心して自分を出せるし、「どんな自分も受け止めてくれる」と深層で親を信頼するだろう。

別にわがままを聞いて甘やかして育てているからと言って、子どもが自己中心的な性格になるというエビデンスや研究結果はどこにもない。

親は自分が何を言っても許してくれる、どんな自分でも受け止めてくれる、という信頼感こそが生涯その子の他者を信じる気持ちの土台となるだろう。

じゃあ一生叱らなくてもいいのか、というとそれは違うと思う。「これだけは」というポイントはきめておけばよい。

たとえば自分や他者の人権に関わること、命に関わること、安全に関わることなど「それだけは絶対許さない」といくつか決めておけば叱る場面は明確に決まってくる。

もし家に大人が複数いるなら、誰かが叱った時には誰かはフォローしても良い。

とにかく怒ることより甘やかす方が先決だと私は思っている。

子どもを肯定する

幸せそうな親子のイメージ

甘やかすことと少し似ているが、子どもを肯定すること、これは本当に大切なことだ。

まずは子どもの存在そのものを肯定すること。あなたがそこにいるだけでいい。存在そのものが私の宝物。

そして子どもの言うことを肯定すること。何を言ってもその子の思うことは全てOK。子どもの言ったことはしょうもないウソでも、あ〜そう思うんだね〜って言ってまずは肯定してやってほしい。でも嘘は見逃せと言うことではない。ちゃんとわかっていてまずは否定しないってことだ。

そして子どもの意思決定を肯定するのだ。子どもが決めたことは全部正しいのだ。たとえ未熟な考えでそれを決めたとしても、その時その子にとってはそれが最善なのだ。だから否定しないで受け止めてほしい。でも意見は言っても良い。

進路決定などの大きな決断は心配で口出しするものだが、まずはその子の考えを認めて肯定することだ。それで失敗してもその子にとってはそれは必要な過程なのだから。

じゃ、親は何も言えないのか?というとそんなことはない。子どもが親に意見を求めたり、相談してくれるのを大事にしてほしい。そうやって大事な時に親を頼るような関係を築くための普段からの関係作りだのだ。

子どもは社会で育てられる。時には厳しく他人が育ててくれるのだ。

子どもが良いつながりの中で人に助けられて生きていくことを祈りながら、そして心の中で人に感謝したり謝ったりしながら、家では全力で子どもを肯定してやるのだ。

その子にしかない良さを探すこと

好きなことに楽しんで取り組むイメージ

子どもを思うがゆえに悪いところばっかり気になるだろうが、良いところを見てほしい。誰にでも必ず長所や強みがあるはずだ。

我が子の弱さに目を向けることを否定はしないが、それに着目して「なんとかしよう」と思わなくても大丈夫だ。

良いところを伸ばすようにすれば、弱さや課題は自然に後から伸びてくる。

勉強ができない子に少しでも克服させようと頑張るよりも、好きなことに熱中する時間を一緒に楽しめば良い。

これからの時代は、自分の得意を生かして人の役に立てるように育てるのが一番賢いと私は思う。なんでも平均的にフラットにできる人にならなくても良いのだ。

人間関係作りが苦手なら、研究者になれば良い。音楽が好きなら、無理にスポーツさせなくても良い。勉強が好きならそればっかりとことんしてもいい。

一点突破で得意なことを伸ばせば必ずうまくいく、と私は思う。

でも、釘を刺しておきたいのは、最終的に何もなし得なくてもがっかりしないことだ。子どもが目を輝かせて好きなことをとことん探求する姿が大事なのだ。

ちなみに我が子は注意欠陥気味だったので、いっとき過集中を発揮したり、すぐさま熱が冷めて忘れたりを繰り返して、いろんなことを身に付けたけど特に突き抜けることはなかった。

なんでも器用にこなすが、特にこれというものはない。でもそれがまた良さだ。その良さを生かして現在体育の先生をしている。

ギリギリまで自由を与えよ

自由に遊ぶ子どもたち

塾や習い事は別に必要ではない、と今になって本当に思う。スポ少も特に必要ない。とにかく外で遊べ、と言いたい。

危険だったり、不審者のニュースだったり、子どもを取り巻く環境に懸念することはたくさんあるけれど、子どもを自由に遊ばせてやってほしいのだ。

子どもは自然の中で自由に遊ぶことで様々な能力を育てている。汗いっぱいになって、泥んこになって元気に帰ってきたらホッとして無事帰ってきたことを喜んでやってほしい。

スポ少で能力開発なども素晴らしいが、ルールに則ったゲームの中で体を動かすよりも、イマジネーションを巡らせ空想を楽しみながら自然と戯れて自由に遊んでほしいと思う。

昨今のゲーム漬けやネット漬けの問題も、この外での遊びの中で使うが解決してくれるはずだ。

人生にはゲームより面白いことがいっぱいあるってことを子ども時代に学ばせてほしいのだ。口で行って聞かせるのではなく、体で体験を通して勝手に学ぶだろう。それには自由を与えて見守ることが必要なのだ。

もう一度言う。自由を与えて、信じて見守るのだ。何を信じるかというと、

「今日も元気に帰ってくる」ってことを信じていればそれでいいのだ。

家の中を笑いでいっぱいに

笑顔の子どもたち

家の中で笑い声が響くように心がけてやってほしい。

一昔前は、親が喧嘩していると子どもが親の顔色を見るとかいい子に育たないとか言っていたけど、私は個人的にそうは思わない。

ケンカもあり、だ。でも仲直りできるってことを学べば良いのだ。

月並みな言い方だが、笑い声はエネルギーの源だ。最近では病棟でも芸人さんを呼んで、入院患者さんに笑ってもらうことで免疫力が向上するのだとか。

笑いのあふれる家庭ではさみしい気持ちも辛い気持ちも癒されることだろう。笑い飛ばして外でのストレスを癒してやってほしい。

もちろん親も疲れて笑えないこともあるし、ダラダラ過ごしたい日もあって良い。総じて概ねよく笑ってんなぁ・・・って感じで十分だ。

時には親が芸人になって、笑いをとってやってほしい。ご機嫌取りではなく、笑いを提供するのだ。

最後に「期待するな」と言いたい

まとめに、最後しつこく一言言うなら・・・でもこれが案外一番大事だと思うことは、子どもに「期待するな」と付け加えたい。

なぁんにもできなくてもいいのだ。

何者であろうと、愛しい我が子なのだから、どんな状態でもそれでいい。

ダメでもいいのだ、ダメがかわいい。自分の遺伝子だから、大したもんでもないのだ。(あ、失礼、私だけか)

今しかないのだから子どもに全力を注ぐ、とか、子どもが巣立ったら虚しくならないように自分のことも大事に・・・とか、子どもとの距離感についてはいろんな意見があるだろう。その全てはいろんな意味で正しいと思う。

今日お伝えしたのは、子どもを見る目が関係を作るっていうことなのだ。

今育児に悩む方、思春期に振り回される方に伝えたい。しまった、と思っても子育てはどこからでも関係の作り直しができる。時間はかかるけど、どこからでも大丈夫。

子どもと一緒に楽しい時間を過ごし、良い関係を築いてほしい。

ABOUT ME
めい
公認心理師・臨床発達心理士★心理の仕事30年の経験を生かし、人の悩みや疑問に寄り添う、特に同年代に向けた大人美容や生活情報に関する記事を作成しています。得意のライティングを生かしていろいろな人のお役に立ちたいです。