5年前に大学院に入り直して2年間の課程を修了し、その後2年前に心理の国家資格を取得した。昨年は民間の心理資格を取得して資格のダブルホルダーとなった。
大学院も資格取得も色々事情があってチャレンジしたのだが、今振り返ってみて、この学びの過程は辛かったこともたくさんあったが総じてとても良かったと思っている。
自分の将来のプランを自由にする、資産の一つとも言える。
現在の職に生かされるというところは言うまでもないが、それ以外にも資格取得によって様々な利益を得ることができると考えている。
50歳の主婦が、平日フルタイムで仕事をしながら資格をとった経験から、資格取得のメリットとその際障がいとなったことなどを述べていきたい。
資格取得のメリットとは
50歳を過ぎていまさらなぜ困難な資格取得を志したのか、それはやはりメリットがあるからである。資格を取得して何ができるか、その資格を持った後の自分の姿を想像してみてほしい。そしてそれに価値を感じるならぜひ挑戦してみるといいと思いう。
専門性の証明としての資格
資格を取得するメリットは取りたい資格により様々だとは思うが、共通して第1に言えるのは専門性の証明である。その資格を持っていることで、その分野の知識や技能の専門性が証明されている。
もちろんその証明を更新し続けるために、常に学び続け研鑽し続けていかなければならない。資格は持っているが知識をアップデートしなければ信頼も失うだろう。
とはいえ、資格を持つことでその分野においての専門性は担保されており、より自分の言動に信頼を責任が伴うのは事実である。それが資格取得の第1のメリットである。
活躍の場が広がる
資格を保持することにより、現在の職場を離れても必要とされる場や活躍が期待される場が増えることが期待される。それを期待して資格取得を志した。
例えば私は子どもの療育が専門だが、心理の資格を生かせば地域ネットワークでの連携に貢献できる。さらに病院や福祉施設などでも相談業務の依頼が増えた。
資格を持つことで人に信頼され、仕事を任される場を増やしてくれる。そのことによって自分の世界も広がるし、経験値も広がり、深まりが出る。さらに収入アップも見込めるだろう。このことは最大のメリットである。
学びの場が保障される
資格を保持することで、学びの場が確実に保障される。資格によっては研修を積まなければ資格更新をしてくれないものもあり、取得後は自主的に学び続けることが嫌でも必要になることが多い。
ひと昔前ならば会社に一度所属してしまえば、終身退職まである一定の福利厚生は保障され、昇進の時以外はあえて学部、ということは強要されないのではないだろうか。しかし現在の社会状況ではそのような古来からの働き方の意識は大きく変化してきている。
資格取得後のスキルアップの必要性がある、ということには生涯学び続ける生き方と関連して深い意義がある。
コミュニティやネットワークに所属する
資格を取得すると、その界隈のコミュニテゃネットワークに所属する機会が増え、学びばかりでなく職に関しても情報交換が可能となる。このことはとても大きなメリットである。
今まで一人で孤独に資格取得の勉強に取り組んでいた人も、合格すると協会や学会などの組織に所属したり名簿に名前が載ったりすることになり、そこでの交流も生まれる。
自分だけで得ていた情報ではわからなかったことや、今前知らなかった資格の活かし方もそこで知ることができる。何に関しても言えることだが、情報交換は大きな利益をもたらす。
資格取得における壁
上記の通り資格取得することでメリットはたくさんあるが、デメリットとなることはほとんどないと考える。
しかし、デメリットはないにしろ、資格取得の壁となる困難はあるだろう。考えられる困難を以下にまとめてみた。
お金がかかる
資格取得はタダではない。最低でも受験料、手続料、資格により異なるけれど絶対にかかってくる最低限のお金だ。
私の場合は資格受験の前に講習を受けたりそのためのテキストを購入したりすることが必須の条件になっていたので、それだけでも数万円は必要だった。
資格取得に向けて個別に対策や勉強する場合はテキストや書籍を購入し取得後も活かせるように勉強しているし、資格取得に向け、対策スクールや予備校、セミナーなどを受講する人も多い。また資格によっては大学院での学び直しや単位の取り直しが必要になる。こうなるともう数十万単位である。
また合格後は登録料、資格を維持するための更新料など。学会に所属する場合はその会費など、それぞれ資格によって大きく違ってくるのでよく確認して漏れのないようにしなければならない。たとえ最初だけであっても、お金はかかるのだ。
時間がかかる
資格取得のための資料取り寄せから願書記入、各種払い込みなど雑用にかかる時間も捻出しなければならない。それだけならまだしもその資格試験に向けた勉強には本当に時間をかける必要がある。資格取得はにわかにはできない。一時的に得た浅い知識では太刀打ちできない。
私は受験半年前でも2〜3時間は勉強していたし、直前期には休日は目覚めてから寝るまでほとんどの時間を勉強に費やした。これは本当に辛かった。
実は試験の1ヶ月前には娘が出産して実家に戻ってきて産後の療養をしていた。なので孫や娘のケアをしながらの直前勉強になったのだが、不安は募るし、時間はないし、で半泣き状態だった。
家族の理解も必要だし、時間の捻出は大きな壁である。でもやる価値は大いにあるが。
まとめ
今、定年退職年齢は60歳から65歳に引き上がる傾向にある。人生のほとんどを働いて過ごす中、自身の働き方やキャリアについては折に触れ見直したり計画を立てたりする必要があるだろう。
資格を取るということは大きなエネルギーが必要だし、越えるべき壁もあるだろう。でも取得してしまえばそれだけの価値をもたらしてくれる。
私の周りには今から学び直し、資格をとって、子育てに手がかからなくなる頃に社会復帰したいと考えている若い主婦の方はたくさんおられてよく相談に来られる。皆自分の力を生かしたいと思っているのだろう。
もし資格取得に興味があって、迷っておられるなら、思い切って行動することをおすすめしたい。
私はある程度のところで資格主体の働き方にシフトチェンジするつもりだ。時間の管理にゆとり持たせつつ、自分の専門を生かして、短い時間により濃密に仕事をする。そして生涯地域や人の役に立つ働き方をしていきたいと考えている。